はじめに・ご挨拶
はじめまして。
私たちは宮城県登米市で黒毛和牛を育てている三塚牧場の三塚浩之と香子です。
浩之:三塚牧場は1972年から家族経営で黒毛和牛を育ててきました。A5ランクの品質の高い牛肉の生産を目指し日々牛の世話に励んでおります。4年前に、東京から私の故郷である宮城県登米市に妻(神奈川県出身)と戻りました。現在は、家族と従業員1名と共に肥育だけでなく繁殖にも着手し、子牛の誕生からお客さんに食べてもらうまでを一貫して行える体制を築こうとしています。
この度、Uターン以来ずっとやりたかったチャレンジを始動します。それが「シルクロプロジェクト」です。
このプロジェクトで実現したいこと
このプロジェクトは牧場と隣接する築40年の地域の集会所をリノベーションして「カフェスペース」と人々が集まることのできる「シェアスペース」へ生まれ変わらせるものです。そこで『資源の循環〜めぐる、ひらく、わかちあう〜』をテーマに、食・農・町・人・文化を繋いでいきます。そして、三塚牧場で生産された牛肉や野菜、登米市の農産物を食べて感じられる場所を作ります。
店名は“circulo シルクロ” スペイン語で円や循環の意味を持ちます。
シルクロの3つのコンセプト
-めぐる-
牛の飼料となる稲わらは自分たちや地域の農家さんが育てたお米の副産物です。脱穀したときに出る籾殻も牛の寝床になります。牛が排泄した牛糞を堆肥化させてまた農地に還し、お米や野菜を育てます。水もこの場所から湧き出る井戸水や地下水を汲み上げて使っています。この様な輪の中で育てられた牛のお肉を、みなさまにお届けする。シルクロはこの循環の輪を広げていきます。
-ひらく-
少子高齢化の進む登米市で、使われなくなった集会所をリノベーションして再び人の集まる場所としてひらきます。
また、地域の人々にも地元で育てた牛肉を食べてもらえる飲食店を開くという意味もあります。
カフェでは三塚牧場で生産された仙台牛ハンバーガーや、地産野菜や果物を使ったサンドイッチとデザート、フレッシュジュース、ハンドドリップコーヒー等をご提供する予定です。ハンバーガーのバンズは、登米市のピザとパンのお店 “HAIJI“ さんに作っていただきます。
カジュアルに、この町で育てられた牛肉を食べてもらいたい。誰でも気軽に入りやすい雰囲気でお店を「ひらく」という意味も込めています。
-わかちあう-
約100㎡の建物の半分をカフェ、もう半分を床や天井を解体した土間空間にすることで、地域の人々とシェアする公共的なスペースにしていく予定です。
シェアスペースはさまざまな用途に使っていけるように計画しています。例えば、ハンドメイド作家さんの雑貨を販売したり、マルシェやワークショップ、音楽イベントの開催など人々が集まったりチャレンジできる場所にしていきます。
シルクロは私達だけでは出来上がりません。そこに集まるみんなで作っていくものです。市内の人に限らず、市外の人も登米市の暮らしの豊かさを感じられ、人のつながりも循環させていくプロジェクトにしていきたいと考えています。小さな循環が繋がってやがて大きな円環になっていくことを目指しています。
これは、プロジェクトが始まったときに作った図です。シルクロプロジェクトを通してやりたいこと、すでに取り組んでいることについてじっくり考え、整理しました。この作業をしたことで「資源の循環をテーマに、食・農・町・人・文化をつなぐ」という私達の使命がはっきりと見えてきました。
建物のリノベーションについて
建物を大きく2つに分割して、断熱され快適に過ごせるカフェスペースと、半屋外空間のように自由度が高く使える土間のシェアスペースにリノベーションします。
土間は外壁をできる限り残しつつ、床と天井を解体して天井高の高い、屋根のある広場のような空間を目指しています。レンタルショップやギャラリーとして使うだけでなく、お母さんたちが学校の送り迎えの合間にちょっとおしゃべりしに立ち寄ったり、子どもたちだけでも気軽に入ってこれるようにするために、できるだけラフな場所にしています。
また、敷地内の庭には野菜やハーブを植えたプランター、果物がなる果樹、天気のいい日は屋台やパラソルを置いたりして、気持ちのいいガーデンを作りたいと考えています。お客さんはそのガーデンを通ってシルクロに入ってきます。道路に面してテイクアウトカウンターも作る予定です。
もともとの集会所は何の変哲もないよくある平屋ですが、このリノベーションが地方の空き家の民間活用モデルの一つとして、ちょっといい未来を示したいと考えています。
宮城県登米市について
宮城県の北部、岩手県との県境に位置する市です。北上川が流れ、豊かな水環境と穏やかな気候の地域です。2021年には、NHK朝の連続テレビ小説「おかえりモネ」の舞台になり、北上川の川辺を主人公が歩くシーンも度々ありました。また、冬になると白鳥やガンなどの渡り鳥が多く訪れることでも知られています。
香子:シルクロ周辺地域からはおとなりの栗原市の山々が一望できます。なだらかな勾配の栗駒山。大らかで力強く、いつも私たちを見守ってくれている様な気がします。登米の最初の印象は「たくさんの自然とどこまでも広がる田園風景、そして豊富な農産物が生きる力を与えてくれる」場所。私にとってとても豊かなところでした。移り住むことに全く抵抗はなく、むしろここでずっと生活してこの広い空の下で子どもを育てたい!と思いました。
登米市は江戸時代から米作りが盛んだったそうで、その技術が受け継がれ、生産量は県内1位です。そして、稲わらやもみ殻を畜産に活用する“耕畜連携”の先進地でもあります。私が登米市に来てこの連携のことを知ってから、「このような“資源の循環“が色々なところで成されていたら、環境にも良いし、人も気持ちがいいだろうな、何か他にも活用できないかな」と思っていました。
和牛の生産者も多く、市場に流通する仙台牛の約4割が登米地域で育った牛です。仙台牛はA5ランクでなければいけないので、そのための知識と技術を持った牛農家さんがたくさんこの登米市にいることがわかります。
市の北西部にある「伊豆沼」「内沼」「長沼」では、夏になると蓮の花が一面に咲き誇ります。この写真は「長沼」沿いの道で車を停めて私が撮った一枚です。毎年同じ景色を見ていますが、通るたびについ撮影してしまうほどの美しい風景です。8月中は「はす祭り」が開催され、この無数の蓮のあいだを縫ってボートで遊覧できるのも魅力のひとつです。
プロジェクトをやろうと思った理由・経緯
浩之:2016年に結婚。翌年、家業の牧場を継ぐために登米市に戻りました。それから1年経った頃、妻が仙台牛のハンバーガーを作ったことが始まりでした。
東京には多くの飲食店があり、その種類も豊富。都会暮らしが長かった妻は、外食の選択肢が少ない土地に住んだことがきっかけで、食べたいものを手作りするようになりました。ハンバーガーもそのひとつです。登米市内にハンバーガーのお店はファーストフード店が一軒あるだけで、当時はバンズを売っているパン屋さんもなかったので、自宅でパン作りもするようになりました。パティは三塚牧場産の牛肉をハンドチョップし、トマトは地元農家さんのもの、玉ねぎやレタスは母が畑で作ったもの。そして出来上がったハンバーガーがものすごく美味しくて!和牛生産者として、こういった形でもぜひいろんな人に仙台牛を食べてもらいたいなと思いました。
登米市の肉用牛の生産は県内一の生産量ですが、地元で仙台牛を食べられるお店は多くありません。以前から、地元で生産されている仙台牛を地元の人たちにも気軽に食べてもらいたいと思っていました。もちろん、長い年月をかけて育ててお肉になった牛。日常的に食べる価格帯の食材ではありません。だからこそ特別な時にだけ食べるすき焼きや、焼き肉だけでなく、カジュアルな食べ方でも楽しんでもらえたら作り手としても嬉しいです。
香子:夫は東京でメッセンジャー(自転車便)の仕事をしながらバンド活動をしていました。私は音楽が好きでライブハウスのアルバイトをしていたこともありました。29歳で介護の仕事に就いてからは、仕事の後にライブハウスへ行くことが楽しみで、それで共通の友人や知人が多かったことが出会いのきっかけです。
仕事を辞めて三塚家に嫁いでからは、初めての農家の仕事や暮らしに馴染めないことも多く、自分のこの先の方向性に悩みました。そして少しずつ前に進み、辿り着いたのが「夫や義父母たちが作るお肉や野菜を私がお店で提供したい」という夢でした。
浩之:たまたま、自宅の隣に集会所として使われていた平家があり、今後どうなるのか気になっていました。市役所に問い合わせると、今後取り壊す予定だとわかりました。そう聞いて、「せっかくある建物なので取り壊さずにここで何かできないか?」と考えるようになりました。
そして、同じ宮城県内の石巻市でまちづくりや建築設計をしていたabout your cityの小泉瑛一さんと、KATSU STUDIOの勝邦義さんにリノベーションの相談をし、設計がスタートしました。
三塚浩之、香子、構造設計者の村上翔さん、設計者の勝邦義さん、小泉瑛一さん
これまでの活動
黒毛和牛の生産農家として1972年に現社長の三塚芳毅が始め、2005年に「有限会社三塚牧場」として法人化。年間約60頭の牛を東京食肉市場に出荷しています。オンラインショップで牛肉の販売もしています。
畜産だけでなく、環境保全米の生産や、野菜の生産、販売なども手掛け、地域とともに歩んできました。また、コロナ流行の前まではインバウンド観光で深く日本を知りたい人たちを農泊という形で受け入れ、国際交流にも積極的に参加してきました。県内外の中学生の農泊体験も受け入れて、農業や畜産業を知ってもらうことも続けてきました。
三塚牧場の仙台牛、美味しさの秘訣
・秋田杉の間伐材で作られた粉炭→デトックス(排毒作用)、糞の防臭効果
・自家産もち米→脂の融点が下がりさっぱりとした脂になりほのかな甘みとオレイン酸(悪玉コレステロールを減らし生活習慣病を防ぐ)が多く含まれるようになる
・ビール粕→胃の中の微生物の働きを促進、赤身をよりジューシーにする
・豊富な稲わら→全ての飼料の基礎、良質な稲わらを沢山食べる事で体の中から元気にすくすく育つ
静かな環境、キレイな牛舎を心がけています。昔からキレイな牛舎じゃないと美味しい牛肉にはならないと言われています。牛も人も気持ちよく過ごせるようにしています。
資金の使い道
今回のクラウドファンディングで集まった資金は、シルクロの建物の改修、断熱、換気設備、外構工事や、シルクロカフェの機器、家具などの購入費用に使用させていただきます。
お返しについて
シルクロが完成したときに使える飲食チケットのほか、三塚牧場の仙台牛を部位ごと、食べ方ごとにご用意しました。
また、建物の解体時に出る廃材で一緒にアップサイクル品を作るワークショップコースも準備しています。
実施スケジュール
2022年春に着工し、夏頃竣工を目標に建物の改修を進めます。現在は設計の段階です。その後準備期間を経て2022年秋頃にお店としてオープンしようと計画しています。
お店の飲食や体験型のコースについては秋以降の開催を予定していますのでご承知ください。
各返礼品のお届け予定日、実施予定日に関しては各お返し毎に異なりますので、ご確認の上ご購入下さい。
<シルクロの建設予定地>
〒989-4601
宮城県登米市迫町新田字小友65-6
最後に
香子:生きる」ための「生活」が繰り返される日々の中、家族や職場以外の人と交流する機会や場所は誰かが作らないとなかなかありません。シルクロは飲食ができるだけでなく、「日常のちょっとした寄り道の場所・誰かに会いに行く場所・楽しいことに出会える場所」。地域の人にとってそんなお店でもありたいと思っています。そしてシルクロを通して登米の魅力を発信していきたいです。
浩之:この先、農業が無くなる事はありません。むしろ農業が注目される時代が来ています。環境の事を考えて取り組んだり、機械やIoTを駆使し省力化と農地拡大、生産性を上げることは、これまでずっと行われてきた「良い物」を作る農業の延長線上だと思います。もちろんそれは農業の基礎でありとても大事です。それよりもっと原点には「食べる人の事を考えながら作る」ということがあるはずです。私たちはそれを大事に日々、自然と農業に向き合って参ります。「シルクロ」がそんな食べる人たちや、そこに集まる人たちの為の農業、女性が活躍する農業、未来に繋ぐ農業の1つのモデルになれば幸いです。
これまでこの地域には無かったお店を私たちが作ることで、地元の方々の生活の中に新たな楽しみを増やしたいと思っています。また、宮城県内でも唯一の『自家牧場産・仙台牛バーガー』を食べていただくことで「地産食材の美味しさ」や「資源の循環」のことを知ってもらえるきっかけになればと思っています。
しかし、私たちにとって何もかもが初めての試みです。断熱や換気設備など、お店に来てくださった方々が安心できて、心地良い店内を作るための資金が不足しているのが現状です。そのため、この度ご支援を募る形となりました。心よりお願い申し上げます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
三塚 浩之
三塚 香子
FAQ
Q:シルクロのオープンはいつですか?
A:2022年秋頃を予定しています。工事の進捗によってはオープン予定に大幅な遅れが発生する可能性がございます。詳細はシルクロSNSでお知らせします。
Q:シルクロには駐車場はありますか?
A:5台分を整備予定です。
Q:ワークショップ参加を検討しています。当日必要なものはありますか?
A:汚れてもよい服装とお着替えをご用意ください。道具はこちらで用意します。
Q:プロジェクトに参加(お返しを購入)するために会員登録は必要ですか?
A:うぶごえの会員登録が必要となります。(お持ちのメールアドレス、またはGoogle・Twitter・Facebook・LINEアカウントにてご登録いただけます)
会員登録後にご希望のお返しをカートに入れていただき、お返しの選択が完了したらカートへお進みください。
Q:心付けとはなんですか?
A:プロジェクトやプロジェクト掲載者への想いを「心付け」として購入金額に上乗せして贈ることが可能です。
なお、10,000円のお返しに10,000円を心付けされても20,000円分のお返しを受け取ることはできず、10,000円のお返しのみ受け取ることが可能です。
※心付けに手数料はかかりません
Q:お返しの価格以外に手数料はかかりますか?
A:システム利用料として、お返し合計額の5%相当額+330円を頂戴いたします。
※心付けに手数料はかかりません
Q:支払い方法は何がありますか?
A:クレジットカード・コンビニ(支払い)・銀行振込・PayPalでの支払いからお選びいただけます。
下記をご参照ください。
・クレジットカード支払いについて
・コンビニ支払いについて
・銀行振込について
・PayPalでの支払いについて
※募集期間の終了が近づくに伴い一部の決済手法に制限がかかります。
Q:領収書の発行は可能ですか?
A:領収書の発行を承ることはできません。また、本プロジェクトは購入型クラウドファンディングのため、寄付金控除は発生しませんのでその点ご了承ください。
Q:お返しの価格には消費税が含まれていますか?
A:消費税を含めた価格となります。
Q:お返しの価格には送料が含まれていますか?
A:送料を含めた価格になります。
Q:売り切れたお返しは再販されますか?
A:うぶごえの都合で追加(復活)させることはございません。
しかしながら、例えばパートナー(購入者様)が「支払いに失敗」または「コンビニ支払い・銀行振込で支払い期限までに支払いが行われなかった」場合は、確保されていた在庫が自動で復活されます。
この場合、パートナーの購入申し込み日によって、復活するタイミングは異なりますので、うぶごえ・掲載者様からのアナウンスは行うことができません。予め、ご了承くださいませ。
Q:複数のコースを一度に購入することは可能ですか?またそれにより金額が安くなったりしますか?
A:可能です。内容が重複する場合がございますが、割引は対応いたしかねますのでその点ご了承ください。
Q:返礼品の購入後にキャンセルをすることは可能でしょうか?
A:恐れ入りますがキャンセルの対応は行っておりません。購入の際には内容に誤りがないか慎重にご確認いただいてからご注文ください。
Q:お返しの発送はいつになりますか?
A:発送が伴うもの・伴わないものがございますので、それぞれのコースのお届け予定日をご覧ください。
Q:お返しが届く前に届け先の変更は可能ですか?
A:ログインした状態で、サイト右上のアイコンを選択し、マイページの「注文一覧」から変更は可能ですが、プロジェクト終了後はお返しの発送準備が進んでいる場合があるため、お届け先情報の変更後に必ずプロジェクト掲載者まで直接ご連絡ください。
※サイト右上、メッセージ機能の「メッセージ新規作成」からご連絡可能です。
Q:プロジェクトやお返しについて掲載者に質問をしたい場合はどうすればいいですか?
A:プロジェクトページ内の掲載者のプロフィール欄にある「意見や質問を送る」からプロジェクト掲載者にお問い合わせください。既にお返しを購入されている方は、サイト右上、メッセージ機能の「メッセージ新規作成」からプロジェクト掲載者にお問い合わせいただくことも可能です。
なお、うぶごえの利用方法等についてはこちらからお問い合わせください。
その他、こちらのヘルプページもご確認ください。