お待たせしました‼︎ 上山徹郎先生、待望の最新作です。上山先生初の、全原稿デジタル作画の作品です。新作支援プロジェクト第一弾となる、山本貴嗣先生の「紅のベニー」発刊プロジェクトに続く、第二弾企画として、上山徹郎先生の「ティコの冒険」をご紹介いたします。
スタートは絵コンテを見せていただいた2020年12月でした。昨年12月に最終5話の完成原稿をいただいたので、作画に丸三年かかった大仕事となりました。上山先生、本当にお疲れ様でした。
驚かれる方も多いと思いますが、フランスのバンド・デシネでは、48〜64Pくらいの作品を1年かけて1冊の単行本に仕上げることは珍しくありません。大判やハードカバーだったり、オールカラーだったり、本の仕様も凝っているものが多いのも特徴です。雑誌連載が中心の日本ではモノクロ主体、本のサイズもコンパクトですが、描き下ろしが一般的な海外では、作品作りから本のスタイルまで、かなり異なるわけです。上山先生や弊社の方向性は、日本では珍しいかもしれませんが、これは量産指向でないことが影響しているのだと思います。
すでにカラー原稿はデジタル作画をされていましたが、今回からモノクロ原稿もアナログからデジタルに完全移行です。初の試みですので、試行錯誤を繰り返しながらの作業でご苦労されたでしょうし、おひとりで描かれているわけですから、時間がかかるのは当然でした。こちらも急かすつもりは毛頭ありませんでしたので、催促がましい連絡は控えるようにしました。先生もメールで「長かった執筆に一区切りついてホッとしました」と書かれていました。DLした原稿に目を通しながら、待った甲斐があった出来栄えの作品に感謝の思いしかありません。昔なら、目の前の先生にねぎらいの言葉をかけたい場面ですが、リモートでの原稿の受け渡しには、未だに慣れません。
日頃から「ファンのいるところが作品を送り出す場になる。これからは世界の漫画ファンに作品を届けなくちゃいけない」と偉そうなことを言っていた私に、絵コンテを手渡された先生が「気をつけて読んでください」と、一言声をかけられました。何かトラップが隠されているのかと身構えた私は、次の瞬間に目の前の原稿が左から右へ読み進む、西洋開きの進行になっていることに気づき愕然としました。左右逆版になることを嫌って、翻訳を断る作家までいた時代もありましたが、今は海外でも日本の漫画は、国内と同じ、右綴じで右から左へ読み進む形が受け入れられているので、これには意表をつかれました。世界市場に向けて作品を作るにしても、わざわざ作家本人が西洋開きの漫画にチャレンジすることは予測していませんでした。たしかにセリフが縦組みから欧文の横組みになった場合は、左から右に読み進めるのが自然ですので、コマの配置もS字状でなく、Z字状に読み進む配置の方が理にかなっているのです。セリフも、初めから横組みで書かれていました。面倒だろうからとその問題はパスしていた私は、上山先生の本気に気付かされたわけです。
残念なことですが、上山先生の作品は、今まで海外ではほとんど紹介されてきませんでした。アメリカでも「電人ファウスト」が翻訳されただけで、代表作の「LAMPO」も未翻訳のままで、他の作品も台湾や韓国でしか翻訳されていないはずです。「ティコの冒険」は、日本語版と同時に英語翻訳版も電子書籍化する計画ですので、そのことがネームに着手された段階から先生の念頭にあったのだと思います。単行本一冊で完結する作品ですから、実験的な意味合いが大きいかもしれませんが、作家も新たな一歩を踏み出そうとする意欲の現れとご理解ください。
海外の漫画を読み慣れていない方は、最初は戸惑われるかもしれません。しかしわかって読めば、意外とサクサク読み進められますからご安心ください。上山先生は、画像データのほかに、テキスト付きのデータも作られ、先生ご自身が選ばれたフォントを参考にして組版(文字組み)してほしいというリクエストまでありました。書き文字は作家のデザインセンスが感じられる部分ですので、翻訳時にもオリジナルの書き文字を残し、翻訳を付加する方式にしていますが、絵の一部を占める吹き出しの中のテキスト部分だけは、編集側のルールで書体を決めて使っていました。ご要望を受けて、今回の日本語版では印刷版も電子版も、先生の使われているフォントに近似の書体にしてあります。完全に同じものにできないのはフォントも著作物ですので、商用利用可のフォントであっても海外では許諾範囲外だったりすることも考慮しました。
先生にもご参加いただいて翻訳チームの英訳をチェックしながら作業を進めています。微妙なニュアンスの差や英語では表現できない日本語の多様性に気付かされたりして、とても勉強になりました。海外の出版社任せでは、こういった経験はできなかったと思います。
翻訳版だけでなく、日本語版も海外の電子書店で販売します。以前海外の漫画ファンのヒアリングをした際に、日本語の勉強になるので、海外でも翻訳版と同時に日本語版も販売して欲しいと要望されたことが記憶の片隅にありました。海外のファンが、アニメで聞き覚えたという日本語を楽しげに喋る様子を何度も目にしていましたから、今度は「日本語で何が書かれているのか知りたい」という声に応えた形です。同様に国内でも英語版を同時発売します。漫画は言葉の壁を越えるツールになると確信しています。面白い時代になりました。
遠くない未来の地球に転校してきた少女ティコが、見知らぬ土地で、人と出会い友情を育み、動物と触れ合い、心を通わす体験を綴った物語です。
左から、
ダイスケ 塾の生徒。絵が得意な少年。
アイ&レナ 塾に通う双子の生徒。
ナオミ 谷の塾に通う生徒。
先生 谷あいの塾の教師。左から、
竜の子ヒナ
空翔る竜
山の民の子供達
長老 山の民の指導者。
アクタ 山の狩人。
「ティコの冒険」は、日本語版と同時に英語翻訳版も電子書籍化する計画のため、左から右へ読み進む、西洋開きの進行になっています。
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1993年、『機動剣士 ガンボーグVZ』で第25回小学館新人コミック大賞児童部門・藤子不二雄賞入選。『電人ファウスト』で連載デビュー。代表作『LAMPO-THE HYPERSONIC BOY-』、『隻眼獣ミツヨシ』ほか。寡作ですが、圧倒的な画力、魅力的な世界観やキャラクター造形、迫力あるアクションシーンは、高い評価を集めました。
①コミックス『ティコの冒険』印刷版 全1巻
5,500円(税込・送料込)
B5判 A5判 ソフト ハードカバー(ピンナップ1点・本文168P)ペーパーバック(別カバー・帯はつきません)
お届け予定日 2024年12月
A5判は大きめのコミックスサイズです。
巻頭のピンナップは、特殊インクを使用するため、今回のみの収録となります。電子書籍には収録されません。
印刷版の書店販売は、リアル書店・ネット書店ともに行いません。書店流通のためのISBNコードも付番いたしません。
巻末に、支援者様のお名前を掲載します。匿名ご希望の方は「匿名希望」とご記入ください。未記入の場合は、うぶごえのご登録名義とさせていただきます。
50音順掲載しますので、「ふりがな」ご記入もお忘れなく。
支援者様のお名前は電子書籍には掲載されませんので、ご了承ください。
ストレッチゴールとして支援額150万到達で、返礼品は判型を「B5判 ソフトカバー」にバージョンアップしてお届けします。B5判は雑誌大のサイズです。
さらに支援額250万到達で、返礼品は判型を「B5判 ハードカバー」にバージョンアップしてお届けします。ハードカバーは上製本になります。
☆9/3追記
支援額150万達成しましたので、「ティコの冒険」の判型をA5判(天地210ミリ・左右148ミリ)から、B5判(天地257ミリ・左右182ミリ)の雑誌サイズにバージョンアップしてお届けします。
ありがとうございました。
☆9/29追記
支援額250万達成しましたので、「ティコの冒険」はB5判のハードカバー(上製本)にバージョンアップしてお届けします。
ありがとうございました。
②『ティコの冒険』PDF責了校正紙
サンプル画像ですので、実物とは異なります。
3,300円(税込)
「ティコの冒険」の責了(校了を終了した状態)したモノクロ本文の校了紙全ページのPDFフォルダー(ダウンロード)
お届け予定日 2024年12月
※ 電子書籍として一般発売されるものは、トリミングされ、本と同じ体裁となりますが、今回、ご提供するのは、編集者の作業用に制作されたものの完成形で、市販されません。
表紙、ピンナップは含まれません。
うぶごえからPDF責了校正紙お申し込みの方全員に一斉メールでお知らせしますので、受信可能な設定をお願いします。
ご支援者様にお知らせするURLにアクセスしていただき、指定されたパスワードを入力し、各人でダウンロードをお願いします。PC、タブレット端末、スマホでもご利用可能です。一般的な電子書籍より解像度が高いため、ダウンロードに時間がかかります。
ダウンロード可能期間は2ヶ月間。5回までは繰り返しダウンロード可能です。ダウンロードされたファイルには「電子透かし」、PDFセキュリティが施されています。著作権保護のため、印刷、コピーができませんので、ご理解お願いします。
巻末に、支援者様のお名前を掲載します。匿名ご希望の方は「匿名希望」とご記入ください。未記入の場合は、うぶごえのご登録名義とさせていただきます。
50音順掲載しますので、「ふりがな」ご記入もお忘れなく。
支援者様のお名前は、一般販売される電子書籍版には掲載されませんので、ご了承ください。
③直筆サイン入りプリント色紙&コミックス『ティコの冒険』印刷版 全1巻の手渡し会ご招待+PDF責了校正紙【限定数:150】
11,000円(税込・送料込)
キャラクターの絵入り色紙は色紙用に描き下ろされたイラストがプリントされたもので、手書きではありません。サインは直筆です(色紙サイズは135ミリ×120ミリです)。上山先生のご負担軽減のため、為書き(支援者のお名前等の書入れ)は行いません。
開催予定日 2024年12月8日(日) 13時〜15時(東京都内で開催します)。
PDFお届け予定日 2024年12月下旬
当日、上山先生よりコミックスと直筆サイン入りプリント色紙をお手渡しいたします。
開催日時、場所が確定した時点で、参加申込されたご支援者様に詳細をご案内いたします。うぶごえから手渡し会コースお申し込みの方全員に一斉メールでお知らせしますので、受信可能な設定をお願いします。
会場までの旅費(交通費・宿泊費)はご支援者様各自のご負担となります。
当日、ご都合が悪く不参加となったご支援者様には、登録ご住所に後日、コミックスと色紙を郵送いたします(12月中旬以降の予定)。
作者発病、天候不良等の理由で、手渡し会を順延する場合がございます。
限定数が完売した際に、追加販売を実施する場合がございます。
ストレッチゴールが達成した場合は、コミックスは、支援額は変更なくバージョンアップいたします。
④直筆サイン入り複製原画・ピンナップイラスト(天地260mm・左右340mm)+作品証明書
・額装なし 27,500円(送料・税込)
・アルミフレーム額マット装済み 38,500円(送料・税込)
・木製額マット装済み 49,500円(送料・税込)
お届け予定日 2024年11月
作品証明書は制作番号(申込順)、購入者様ご指定のお名前(無記名も可)、著者サイン入りのものとなります。
額の在庫状況、額装業者の繁忙期と重なった場合は、お届けが遅れる場合がございます。2024年12月以降となる場合には、購入者様にご連絡いたします。
⑤直筆サイン入り複製原画・表紙イラスト(天地320mm・左右460mm)+作品証明書
・額装なし 33,000円(送料・税込)
・アルミフレーム額マット装済み 44,000円(送料・税込)
・木製額マット装済み 55,000円(送料・税込)
お届け予定日 2024年11月
作品証明書は制作番号(申込順)、購入者様ご指定のお名前(無記名も可)、著者サイン入りのものとなります。
額の在庫状況、額装業者の繁忙期と重なった場合は、お届けが遅れる場合がございます。2024年12月以降となる場合には、購入者様にご連絡いたします。
※弊社からプロジェクトや返礼品に関する重要なお知らせを「うぶごえ」のメッセージ機能で発信する場合がございます。ユーザー登録時にご設定いただいたメールアドレス宛てに「noreply@ubgoe.com」より通知メールを送信しますが、セキュリティ設定や迷惑メール対策等により、メールが正しく届かないことがございます。
誠にお手数をおかけしますが、予め「@ubgoe.com」ドメインのメールを受信できるよう、 迷惑メール設定から解除、もしくは受信設定をしていただくようお願いします。
またお届け先のご登録ミス(市区町村・番地の抜けなど)が多発しておりますので、くれぐれもお間違いのないようご確認ください。
目標金額は300万円。
プロジェクトの実行方式はAll-in方式で実施し、目標金額に満たない場合も計画を実行し、返礼品をお届けします。
*限定本の製造費(組版・製版・印刷・製本・用紙)
*複製原画の製造費
*デザイナー報酬
*著者報酬(描き下ろし単行本と複製原画は原稿料相当額を前払印税で、色紙イラスト&直筆サイン料は別途謝礼を支払います)
*送料
*税金
今回製作する書籍の書店販売はおこないません。クラウドファンド限定生産となります。
後日、電子書籍化されますので、その点だけはご理解お願いします。
クラウドファンディング募集期間 2024年7月26日(金)〜2024年9月29日(日) 23:59:59
入稿・校了 2024年9月30日(月)〜10月31日(木)
印刷・製本 2024年11月1日(金)〜30日(土)
コミックス発送 2024年12月2日(月)〜23日(月)
手渡し会開催 2024年12月8日(日)
複製原画の制作 2024年9月30日(月)〜10月31日(木)
複製原画サイン書入れ・額装・発送 2024年11月1日(金)〜30日(土)
※上記予定に遅延が生じる場合は、うぶごえのレポート機能などでお知らせいたします。
「ティコの冒険」の印刷版はクラウドファンド限定版となります。書店販売は行いません。万単位で作りませんから製造原価が高くなりすぎて、「本屋で売るには向いていない高額な本」になってしまいます。だったら、売りやすい本を作るという選択肢もあるのですが、今回は、支援者の皆様にお届けした後に、電子書籍化する道を選びました。
電子書籍のメリットは、印刷版では不可避だった、品切れや在庫なし重版未定といった、入手困難な状態がなくなり、読みたい方にはいつでも確実にお届け可能になる点です。クラウドファンドのご支援を起点として、国境を超えて世界中の読者の皆様にも、上山作品の魅力に触れる機会を作っていきたいと思います。
「電人ファウスト」「LAMPO」の電子書籍化で日本語版と英語版も準備中です。年内には「隻眼獣ミツヨシ 新装完全版」のプロジェクトもスタートさせます。相変わらずSlowでSmallですが、Sustainableな未来を目指して頑張りますので、今後とも、ご支援よろしくお願いします。
追伸
ここまで書いてきて、さらに嬉しい「お知らせ」が飛び込んできました。
上山先生から、次のプロジェクト「隻眼獣ミツヨシ完全版(仮称)」のためにお願いしていた描き下ろし新作のネームが完成したというご連絡がありました。
前後編116Pだそうです!! 絵コンテ見るのが楽しみでなりません。
「ティコの冒険」プロジェクトと並走して「隻眼獣ミツヨシ完全版(仮称)」の準備も始まります。
今年は「熱い夏」になりそうです。