この原稿を書いている最中(2024年)に、巻来先生から「再来年が『メタルK 』連載開始から40年になるので、ちょっと気が早いけれど、その記念行事として盛り上げてほしい」とご提案がありました。今回のプロジェクトは、先生公認の前夜祭イベントに格上げされたという、嬉しいご報告から始めさせていただきます。
巻来先生とは、知人の紹介で、春先に初めてお会いしました。『メタルK Legend 復活編』は、『週刊少年ジャンプ』で1986年に連載された作品『メタルK 』の続編です。私の古巣『週刊ヤングジャンプ』は兄弟誌としてスタートしたものの、早くに少年誌と青年誌として枝分かれし、近くても遠い関係でしたから、巻来先生とも一度もお会いする機会がありませんでした。
初めてお会いしてから2ヶ月後にはネームを、3ヶ月後には原稿の受け渡しが始まりました。現役時代にもなかったような、ハイスピードな展開です。週刊連載されていた作家はやることが早いです。同人誌で描かれていた続編に描き下ろし56Pを加えた新作として、お届けします。
近年は、デジタル作画される先生方が増えましたが、今回は、カラー原稿も含めて、すべて手書き原稿となります。長く担当した、ながやす巧先生の『壬生義士伝』(浅田次郎先生原作)以来、久しぶりに紙に描かれた原稿をお預かりしました。
数度に亘り、原稿を小分けして受け取っていた時には意識しませんでしたが、紙の原稿一冊分となると、ずっしりと重いです。印刷所に運びながら、久しぶりに体感できました。近頃は、フルデジタルで描かれた原稿が主流なので、貴重な機会でした。
デジタル化が進むと組版や製版の手順も変わります。原画展に行かれると分かりますが、昔の原稿だと吹き出しに写植が貼りこまれています。写植が剥がれていると、鉛筆書きのセリフが読めたりします。最近は、スキャンされた画像データに電子フォントが貼られるだけですから、展示されている原画は綺麗なものです。完成時に消しゴムがけされていると鉛筆書きさえないかもしれません。吹き出しが大きかったりすると、白い空きスペースが目立ちます。絵柄に文字がかかったりする場合は、トレーシンクペーパーに写植が貼られるのですが、展示の邪魔になるので外して展示されます。このシーン、どんなセリフだったかと思い出しながらの鑑賞となります。原画展ならではの楽しい時間です。
昔、原稿は「版下」扱いでした。雑誌や単行本になった後は役割が終わり、忘れられる運命にありました。先生の仕事場に仕舞い込まれたまま、放置されていました。すでに書店の棚からも消えてしまった絶版本は古本屋で探すしかありませんでした。昨今の電子書籍ブームでふたたび読む機会が増えたことは嬉しい限りです。多くの場合、電子書籍での復活は昔の雑誌や本を発掘してスキャンしたものなので、画質の状態は悪くなります。線が飛んでいたり、網点が潰れていたり、裏映りしたりします。オリジナル原稿が現存していても、コストが嵩むため、新版での制作ができないことが原因です。
原画展に来場された人気漫画家が、じっと絵を眺めておられ、やがて傍に立つ私に「どうやって描いたのかわからない。先生に確かめたら教えて欲しい」と尋ねられました。その時は、プロにも読み取れない技法があるのかと驚きました。「手書きの原稿は、どれだけ眺めても見飽きることがない」とため息を漏らされた先生もおられたのも印象に残っています。この方は、フルデジタル作画の先達のような方でした。残された原稿は「漫画遺産」です。人々を魅了する力を秘めています。眠らせたままにするのは惜しいと思います。オリジナル原稿を活かして、新版として出版や電子書籍化も大切だと思います。紙に描かれた原画は、経年劣化は避けられませんが、保存状態が良ければ原画展で公開するという選択肢もあります。
クラウドファンドの魅力は、コアファンと繋がることです。待ち望むファンの存在を実感することで勇気をもらえます。作家と編集者だけでは実現できない夢に一歩近づける気がします。
今後もご支援、お願いします。
目標金額は300万円に設定しました。実は、描き下ろしされる新規原稿や二次使用の対価を含めると、倍の600万が本来の目標額となってしまいます。こればかりはやってみないとわかりません。赤字となるリスクも覚悟してスタートすることにしました。返品のない電子書籍ですから、多少時間がかかったとしても、黒字化が見込めると考えています。そんな事情ですので、後日電子書籍化することもご理解ください。
プロジェクトの実行方式はAll-in方式で実施し、目標金額に満たない場合も計画を実行し、返礼品をお届けします。
両親を殺され、自身も生きたまま火をつけて焼かれた少女・冥神慶子がサイボーグとして甦生し、復讐する姿を描くダークホラーアクション。少年誌の常識を破った衝撃の作品でした。
1958年(昭和33年)長崎県佐世保市生まれ。1981年「週刊少年キング」『ジローハリケーン』(ペンネーム村田光介)で連載デビュー。
1983年、同誌の休刊と共に「週刊少年ジャンプ」に移籍。『機械戦士(メカバトラー)ギルファー』『メタルK』『ゴッドサイダー』『ザ・グリーンアイズ』を連載。1990年に青年漫画誌「スーパージャンプ」に活動の場を移し、『ミキストリ‐太陽の死神‐』『瑠璃子女王の華麗なる日々』『ダニー・エルフマン、シリーズ』など多数の連載作を発表。その後2004年より新潮社(コアミックス)で『ゴッドサイダーセカンド』、2010年頃より秋田書店で『ゴッドサイダーサーガ』連載。ほとんどの作品にSF・ホラー・アクションの要素がある。その後、その三要素がほとんど無い自伝的単行本『連載終了!少年ジャンプ黄金期の舞台裏』(イーストプレス刊)。日光山の開祖を描いた『SHODO勝道上人伝』(集英社刊)を刊行。現在初の戦争漫画「FAKE WORLDフェイクワールド−自衛隊調整児部隊、殺人古代蟲を駆逐せよ」(コアミックス刊)1・2巻、全国書店で発売中。年間70本以上を映画館で鑑賞するほどの映画好きである。
巻来功士エックスアカウント:https://x.com/godsider1
a. コミックス『メタルK Legend 復活編』印刷版 全1巻
5,500円(税込・送料込)
A5判 ソフトカバー(本文196P)ペーパーバック(別カバー・帯はつきません)
お届け予定日 2025年6月
A5判は大きめのコミックスサイズです。
印刷版の書店販売は、リアル書店・ネット書店ともに行いません。書店流通のためのISBNコードも付番いたしません。
巻末に支援者様のお名前を掲載します。掲載のご希望が英数字のみ、もしくはかな表記のみでも構いません。掲載名が不適切と判断した場合は、うぶごえのご登録名義とさせていただきます。掲載不要の場合は「掲載不要」とご記入ください。
50音順に掲載しますので「読み仮名」のご記入もお忘れなく。読み仮名の掲載はありませんのでご安心ください。
複数購入された場合もお名前の掲載は1件分となります。
支援者様のお名前は一般発売予定の電子書籍には掲載されませんのでご了承ください。
*ストレッチゴールについて
①支援額150万到達で、返礼品はカラーページ8Pを増量してお届けします。
②支援額200万到達で、返礼品はカラーページ8Pを増量したまま、判型を「B5判 ソフトカバー」にバージョンアップしてお届けします。B5判は雑誌大のサイズです。
③支援額300万到達で、返礼品はカラーページ8Pを増量したまま、仕様を「B5判 ハードカバー」にバージョンアップしてお届けします。ハードカバーは上製本になります。
④支援額400万到達で、支援者様全員を『メタルK Legend 復活編』原画展にご招待します。確定時点で原画展の詳細をお知らせします。うぶごえから一斉メールでお知らせしますので、受信可能な設定をお願いします。
b. 『メタルK Legend 復活編』PDF責了校正紙
3,300円(税込)
『メタルK Legend 復活編』の責了(校了を終了した状態)したモノクロ本文の校了紙全ページのPDFフォルダー(ダウンロード)。
お届け予定日 2025年6月
※電子書籍として一般発売されるものは、トリミングされ、本と同じ体裁となりますが、今回ご提供するのは、編集者の作業用に制作されたものの完成形で、市販されません。
表紙、カラー口絵は含まれません。
うぶごえからPDF責了校正紙お申し込みの方全員に一斉メールでお知らせしますので、予め「@ubgoe.com」ドメインのメールを受信できるよう設定をお願いします。
ご支援者様にお知らせするURLにアクセスしていただき、指定されたパスワードを入力し、各人でダウンロードをお願いします。PC、タブレット端末、スマホでもご利用可能です。
ダウンロード可能期間は2ヶ月間。5回までは繰り返しダウンロード可能です。ダウンロードされたファイルには「電子透かし」、PDFセキュリティが施されています。著作権保護のため、印刷、コピーができませんので、ご理解お願いします。
将来、『メタルK Legend』が電子書籍化される場合は、今回のフォーマットとは異なります。今回限りのご提供となります。
巻末に支援者様のお名前を掲載します。掲載のご希望が英数字のみ、もしくはかな表記のみでも構いません。掲載名が不適切と判断した場合は、うぶごえのご登録名義とさせていただきます。掲載不要の場合は「掲載不要」とご記入ください。
50音順に掲載しますので「読み仮名」のご記入もお忘れなく。読み仮名の掲載はありませんのでご安心ください。
複数購入された場合もお名前の掲載は1件分となります。
支援者様のお名前は一般発売予定の電子書籍には掲載されませんのでご了承ください。
*ストレッチゴールについて
支援額400万到達で、支援者様全員を『メタルK Legend 復活編』原画展にご招待します。確定時点で原画展の詳細をお知らせします。うぶごえから一斉メールでお知らせしますので、受信可能な設定をお願いします。
c. 直筆サイン入りプリント色紙&コミックス『メタルK Legend 復活編』印刷版 全1巻の手渡し会ご招待+PDF責了校正紙【限定数:100】
11,000円(税込)
手渡し会は2025年5月11日(日)午後、都内にて開催予定(詳細は追ってお知らせいたします)。
手渡し会当日に、先生からコミックスと直筆サイン入り色紙を手渡していただきます。
キャラクターの絵入り色紙は色紙用に描き下ろされたイラストがプリントされたもので、手書きではありません(色紙サイズは135ミリ×120ミリです)。また「為書き(支援者様のお名前等)」は致しませんので、予めご了承ください。
※限定数が早々に完売した場合、追加販売する可能性がございます。
*ストレッチゴールについて
支援額400万到達で、手渡し会会場は『メタルK Legend 復活編』原画展会場に変更いたします。手渡し会当日は、当コースご招待者限定の参加となります。
またコミックスのストレッチゴール①〜③が達成した場合は、お渡しするコミックスはバージョンアップされたものになります。
原画展開催が確定した時点で、参加申込されたご支援者様に詳細をご案内いたします。うぶごえから手渡し会コースお申し込みの方全員に一斉メールでお知らせしますので、受信可能な設定をお願いします。
会場までの旅費(交通費・宿泊費)はご支援者様各自のご負担となります。
当日、ご都合が悪く不参加となったご支援者様には、登録ご住所に後日、コミックスと色紙を郵送いたします。
作者発病、天候不良等の理由で、手渡し会を順延する場合がございます。
d. 直筆サイン入り複製原画・カラーイラスト(天地364mm・左右257mm)+作品証明書
※画像は「額装なし」です
・額装なし 30,000円(送料・税込)
・アルミフレーム額マット装済み 40,000円(送料・税込)
・木製額マット装済み 50,000円(送料・税込)
お届け予定日 2025年6月
作品は全9点のイラストA〜Iからお選びください。
作品証明書は制作番号(申込順)、購入者様ご指定のお名前(無記名も可)が記載されたものになります。
弊社からプロジェクトや返礼品に関する重要なお知らせを「うぶごえ」のメッセージ機能で発信する場合がございます。ユーザー登録時にご設定いただいたメールアドレス宛てに「noreply@ubgoe.com」より通知メールを送信しますが、セキュリティ設定や迷惑メール対策等により、メールが正しく届かないことがございます。
誠にお手数をおかけしますが、予め「@ubgoe.com」ドメインのメールを受信できるよう、迷惑メール設定から解除、もしくは受信設定をしていただくようお願いします。
またお届け先のご登録ミス(市区町村・番地の抜けなど)が多発しておりますので、くれぐれもお間違いのないようご確認ください。
*『メタルK Legend 復活編』の制作費(組版・製版・印刷・製本・用紙代)、送料
*『メタルK Legend 復活編』の著者印税
*『メタルK Legend 復活編』の編集費(主にデザイン報酬、打合せや原稿引渡時に要した経費)
*複製原画の著者印税、制作費、作品証明書の制作費、額代、額装代、送料、梱包費
*手渡し会の会場費
※支援額が400万に到達した場合は原画展会場費、額装等の展示費用、輸送費が含まれます。
クラウドファンディング募集期間 2025年1月29日(水)18:00 ~ 2025年3月30日(日)23:59
入稿・校了 2025年3月~4月(支援額の推移次第で、判型や仕様の確定が早まった場合は、入稿等の作業開始も前倒しになります)
印刷・製本 2025年4月~5月
発送 2025年5月~6月
複製原画の制作 2025年3月~4月
サイン書入れ・発送 2025年4月~5月
手渡し会開催 2025年5月11日(日)午後 ※詳細は追ってお知らせいたします
※上記予定に遅延が生じる場合は、うぶごえのレポート機能などでお知らせいたします。
「紅のベニー」「ティコの冒険」と同様、今回も印刷版はクラウドファンド限定版となります。書店販売は行いません。万単位で作りませんから製造原価が高くなりすぎて、「本屋で売るには向いていない高額な本」になるからです。だったら、たくさん刷って売りやすい価格帯の本を作るという選択肢もあるのですが、1万部2万部程度作っても配本がうまくいきません。ほとんどの書店には配本できませんし、返品次第では赤字になってしまいます。支援者の皆様にお届けした後に、電子書籍化する道を選びました。
電子書籍のメリットは、印刷版では不可避だった、品切れや在庫なし重版未定といった、入手困難な状態がなくなり、読みたい方にはいつでも確実にお届け可能になる点です。クラウドファンドのご支援を起点として、国境を超えて世界中の読者の皆様にも、作品を届けたいと思います。
後日「メタルK Legend 復活編」の電子書籍化では日本語版と英語版も制作します。相変わらずSlowでSmallですが、Sustainableな未来を目指して頑張りますので、今後とも、ご支援よろしくお願いします。