プログラムを作る段階で一番難しいのは選曲で、演出家の薄田隆哉さんに相談したのが始まりでした。
宮本賢二先生と一緒にやることは決まっていたので、僕と賢二先生だとどうなるか。かけ合わせたイメージと、いろんなショーで僕のプログラムの雰囲気だったりを見ていただいて、いまの僕が滑るのはこの曲だって。竹原ピストルさんの“Forever Young”、この一曲を選んでいただきました。
薄田さんは、アイスショーの演出や音源、アドバイザーをされている立ち位置の方で、いろんな場面でご協力いただいている。“Run Boy Run”も編曲でいろいろなご意見を、今回の曲も薄田さんに編曲していただきました。
今回プリンスアイスワールドの背景がたまたま街の雰囲気で、僕の振付とすごくあっていた。
冒頭は街角の公園のベンチから始まる。たとえば若いころ留学していたとして、いまは働き出して……という設定でもいい。昔の自分の写真を見て過去を振り返る。
プログラムを進めていくうえで変化を入れながら、薄田さんには世界観だったりを細かく教えていただいた。アイスショーの会場に入ってからは振付を見て、心情を付け足していった感じ。僕の滑りに関してはリハーサルのときに、心情のパートは、ここはこういう感情かなというのを薄田さんと話し合いました。
このとき、こういうことがあったな。あのときのことは、そういえば、この場所だったなと思い浮かべながら周りを見て、写真と照らし合わせて、思い出に浸るような時間があったり。そうですね、『メモリーズ』を現代的にして、より抽象的に、≪人物≫として捉えた感じ。
≪型≫があるものも、それはそれで難しい。でも、このプログラムにはこれを絶対やるっていう≪型≫がない分、難しい。
明日配信予定「パートナー限定レポート」につづく