日本各地には、歴史文化、地域の観光を支える様々な文化財、歴史的建造物が存在しています。 その維持・継承は、所有者の努力だけでは困難となり、現在、こうした古き良き建物が、滅失、散逸の危機に瀕しています。最近では、こうした場をまちづくりに生かし、その価値を社会全体で共有することで、継承の担い手を育て、国や地域社会全体で、先人から受け継いだ宝を保存活用していこう!という時代になってまいりました。
重要文化財熊谷家主屋
しかしながら、現実は、まだまだ追いつかず、重文民家(国指定重要文化財民家)を例にとると、重要文化財建造物のうち、民家は約400軒で当家もここに該当しますが、個人所有は200軒、個人で維持しきれなくなった建物は、主に自治体の所有となります。所有者が代々の家を手放す理由は、相続税などの問題や維持管理負担の重さによるものです。
文化財に限らず、所有者負担の重責は、そのまま、修復現場や建物の滅失に繋がります。そのことは、職人さん不足の深刻化にも直結し、貴重な匠の技を継承出来る人材そのものが減少しています。先人から受け継がれた、左官さん、大工さんの素晴らしい技術そのものが失われようとしているのです。
このままでは、日本の伝統的建物を未来に伝えていくことが出来ません。地域の歴史と文化が反映された美しい景色が失われた未来に、環境の向上、ゆとり、文化ある生活、地域のアイデンティティ、人々の真の豊かさが想像できるでしょうか。
この危機なる事実に直面したのは、実家である文化財の土間や杉葺の屋根、全体の傷みに対する修復を要請するにも進まず、地元の建設会社さんにご相談したときのことでした。直ぐにいらしてくださり、「早く修復した方がいいですよ」と言われ、なぜかとお尋ねすると、市内にも土間を従来の伝統工法で修復出来る職人さんが、70代の左官さん一人になってしまったという衝撃的な事実を聞かされました。
凸凹になった土間
職人さんが足りないとはお伺いしていましたが、こんなにも大変な状況になっていたことを今更ながらに危惧し、「そのお一方が亡くなってしまったら、市内にある古い家々の土間はどうなるのでしょうか。」と恐る恐る聞いてみたところ、「京都や、まだ職人さんが何とか頑張っているところから、来ていただくしかないでしょう。しかしそうなると、修復費に加え、職人さんの交通費や滞在費がかかるので、ますます修復は困難になります。」と。加えて、歴史的建造物の修復現場全体の管理を任されている責任者の方のお仕事も後継が育っていないそうで、このままでは市内どころか県内、敷いては国内全体の文化財、歴史的建造物と、地域の、日本の未来はどうなっていくのだろうと大きな危機感を覚えました。
例えば、写真の門は、熊谷美術館が開館した当初の門ですが、こんな小さな門ですら、百数十万円の修復費用がかかります。こうした瓦屋根も少なくなり、昔は沢山あった瓦屋さんも今では市内に2件となってしまいました。
修復を待たれる北門の裏と表
最近では、温暖化によるゲリラ豪雨で、白壁や漆喰などが度々剥がれ落ち、都度、数十万円の修繕費がかかるので、たまったものではありません。修復の費用がかさみ、胸が痛くなる度に、心臓の薬のニトロを舌の下に入れていた亡き父のことを思い出すようになりました。
物質と精神の両面においていえることですが、後世に継承していくものを育むことは簡単なことではなく気力労力はもとより、時間がかかります。職人さんの仕事も、高度な技術と経験、苦労や手間を要する大変な仕事です。実家である文化財の家は、私が小学生の時、放火による火災で損傷を受け、3年間かけて解体修理が行われました。建築士さん、大工さん、左官さん方が日々、額に汗しながら懸命に、古の工人達の気持ちと一体になりながら、家を蘇生してくださる様子を間近で見させていただき、心を動かされました。修復費の個人負担分だけでも大変な額で、両親が苦労しながらも周囲の方に支えられ、結果が形になっていくのを見て、苦楽は一つ、想定外のことが起きても、何かのせいにして逃げず、責任と覚悟をもって取り組めば、天は良い方へ導くということも教えられました。
工事の間、「予算が出ないけど、どうしても水琴窟を蘇らせたかったので、自分のポケットマネーで作ってしまった。」と笑顔で言われた左官さん、
左官さんがポケットマネーで作ってくださった水琴窟
「登ってみるか?今日のこの日を大人になっても忘れんように。」と、棟上げの時に上にあげてくれた大工さん、夜遅くまで、電気をつけ、事務所で懸命に仕事をされていた建築士さんの姿もずっと忘れません。
当時は、大変な毎日でしたが、いつも、随所に現場の皆さんの温かい心がありました。当時のことを思い出すと、この歴史的建造物の修復にどれだけの方々の心血が注がれてきたかと今でも胸が熱くなります。もしかすると、その熱が、この度のクラファンの原動力にも繋がっているのかもしれません。前回の修復から、既に50年が経とうとしています。座敷から外を眺めたところに、当時、修復現場の事務所がありました。今でも、ここに立つと、建築士さん、左官さん、大工さん方が、懸命に仕事をされていた光景をスクリーンを見ているかのように思い出します。
主屋の座敷からかつての往来を思う
かといって思い出に浸ってばかりもいられません。老朽化する蔵を個人負担だけで修復することは不可能と悟り、2021年には危機に瀕した蔵を何とかしなくてはとクラウドファンディングを立ち上げました。多くの皆様のおかげで、当館東蔵と巽蔵の修復を無事に成し遂げることが出来ました。お力を貸してくださったすべての方々に、改めて心よりお礼申し上げます。
2021年クラウドファンディングで修復された東蔵と新しく作られたピアノケース
文化財、歴史的建造物、それに伴う景観は、長い歴史の中で、先人達がそれぞれの人生を懸命に生き、最大限の努力で、今日まで守り伝えてきた、国や地域全体にとっての大切な宝です。
2018年に文化財保護法が改正され、地域社会総がかりで文化財の保存活用を進めていこうという方向に舵の向きが変更されましたが、現段階ではまだ、年間数百万円から数千万円という維持費を、管理所有者個人の使命感で負担しているような現状です。
コンサートや講演会などで活躍する重文主屋
文化財保護の資金調達のため、建物の活用が進めば、当然のことながら傷みも進みます。当家も、多くの方が訪れてくださると共に、中にはヒールで来られる方や、様々な土を削る要因が重なり、文化財の土間も徐々に凸凹になり、躓かれるご年配の方なども出て参りました。
都度、頭を下げ、土間や傷んだ建物の修繕を依頼するも、地方の予算も厳しく、そんなこんなで伝統工法で直せる職人さんが市内にとうとう一人になってしまい、土間作りに欠かせないまさ土も市内で作られなくなったと聞き、どうしたものかと頭をひねり続けてきました。
昔ながらの土間たたきは、「土」と「石灰」と「にがり」この材料を合わせた三和土と称される土で行われ、調合も難しく、職人さんの中でもあまり継承されていないそうです。こういった材料を職人さんが作られる様子、経験と勘を要する技法で土間を修復していかれる過程に密着し、映像を撮らせていただくことで、伝統工法を未来に伝えていく一助とならないかと考えました。
土間と竈(かまど)と荒神様(こうじんさま)
映像をご覧になった若い方の中で、左官さんのかっこいい背中に憧れ、左官さんの仕事をやってみたい!と思う若い方が一人でも出て来られたらこんなに嬉しいことはありません。
映像を学ばれる現役の大学院生や卒業生にも相談し、ご賛同いただき、お力添えいただけることになりました。多くの方々に、修復現場や、DOMA映像を見て戴く機会を作り、必要な時に映像の力を頼りに土間を修復していけるよう、加えて、左官さんの仕事をやってみようと思う若者が生まれるよう、当事者の視点からのアーカイブを作ることで、伝統工法・匠の技を皆で、守り伝えていく未来を創出していけるのではないかと考え、DOMAは一日にしてならずのクラファンを始めることを決意しました。
余談ですが、「ROMA(伊)は一日にしてならず」という格言に重ねてタイトルにしたのですが、息子に「若者は、タイトルのみならず、土間が何なのか分からない人もいると思うから、ちゃんと説明した方がいい。」言われましたので、以下、ウィキペディアからの説明を掲載させていただきます。
「土間(どま)は、家屋内にあって床板を敷かずに、地面のままか三和土(たたき、漆喰を塗り固めた床)にした空間。主に玄関近くに設けられ、屋内では靴を脱ぐ習慣がある日本などにおいても、土間は土足のまま屋外と出入りができ、台所や作業場、土汚れがつくもの保管場所として使う。」
是非、現地に足を運び、土間を取り巻く現状と修復のbefore&afterもご覧いただけると有難いです。
そして、今回のプロジェクトに多くの方がご賛同くださり、土間修復とアーカイブ化のミッションが達成出来たなら、次は他にも今、取り組まないと100年200年先に繋げられない文化財と歴史的建造物の修復にも取り組んでいきたいと考えています。
➡文化的なものに対する国家予算、地方予算が年々厳しくなる現状
➡所有者だけでは予算的にも文化財や歴史的建造物の修復が困難
➡貴重な歴史的建造物は維持困難、修復されず老朽化、放置、解体
➡伝統工法の技術を要さぬ、短期間で建て替わっていく建物が台頭
➡古の工人の心が何百年も続く建物を修復出来る職人さんの減少
➡文化財や歴史的建造物を有する地方文化の衰退
➡魅力に乏しい地方都市の増加
➡新しい文化立国の創造という国の理念に逆行
➡こうならないために・・・
ハチドリのひとしずくかもしれませんが、こうした流れにならぬよう、安易な方に流れず、希望ある未来を創るため、最初の一歩に挑戦しようと思います。
今回は、50年前に当館の蔵を修復してくださった左官さんがお力になってくださいます。
この危機的状況を一番強く感じていらっしゃるのは、職人さん方だと思います。
「今の内に何とかせんと」という思いで、ご協力くださることになりました。
映像の力が、土間を修復される左官さんの背中に憧れる若い方が生まれるきっかけとなり、職人さんの願いや先人達の思いが、子や孫たちの時代へも伝わり、この先に生きる皆の幸せと、より良い未来へ繋がっていくことを願います。
左:館長の子供の頃、縁側で、報本反始、家を伝えることの意味を教えてくれた祖母と
右:熊谷家のお庭のホルトの木
お庭のホルトの木の下で、皆様のご健康とご多幸をお祈りしています。
西にお越しの際は、是非、お立ち寄りください。
最後まで、お読みくださり、有難うございました。
11代 熊谷五右衛門
熊谷美術館館長 江口伊織
はじめまして。山口県萩市、熊谷美術館代表理事、江口(熊谷)伊織と申します。
江戸時代より400年の歴史がある熊谷家11代目五右衛門を襲名しています。
熊谷家は江戸時代、萩藩筆頭御用達として、問屋、金融、仲買、製塩、鉱山、海運などを業として栄えた商家で、古文書によると当時の藩の財政の65%を担っていたそうです。
代々「報本反始(自分達の存在の根源へのご恩を忘れず、本に報いる心がけで社会全体へ貢献する)」の思いを大切に、広く世の中へ寄与、多くの方々の支援を続けて参りました。
熊谷家住宅は、当家初代熊谷五右衛門が明和5年(1768)50歳の時に新築。現在は、主屋・離れ座敷・本蔵・宝蔵の4棟が国の重要文化財に指定されています。熊谷美術館は、そのような歴史の中で継承されてきた貴重な歴史遺産を広く公開するため、9代目である私の祖父が昭和40年(1965)4月に開館しました。所蔵品の中でも、4代五右衛門と交流のあったシーボルトから譲り受けたピアノは、現存する中で最初に伝来した日本最古のピアノとしても有名で、この春、萩市有形文化財に指定され、11月23日勤労感謝の日には、萩市ご出身のピアニストの長岡あゆみさんをお迎えして、文化財の中でコンサートを開催致します。
国指定重要文化財熊谷家住宅土間の修復と、土間修復(2025年7月予定)の期間、東京藝術大学大学院で映像を学ぶ学生さんとOBの皆さんで、左官さんに随行取材撮影をしながら、伝統技術工法、修復過程、左官さんの思いに至るまで、未来に繋げるためのアーカイブ映像を作成し、クラウドファンディングにご協力くださった皆さんのお名前をエンディングロールに入れ、試写会と共に発表、映像を文化財や歴史的建造物、職人さんの伝統工法を有する未来の為に役立てます。
修復の期間、地元や全国の学生の皆さんの見学など、未来の職人さんが生まれるための一助となることを願います。
日本各地には、歴史文化、地域の観光を支える様々な文化財、歴史的建造物が存在しています。しかし維持管理、保全修復の為の資金面の負担は大きく、所有者の努力だけでは、維持継承が困難であるばかりでなく、それに伴い、文化財、歴史的建造物の修復に携わることの出来る大工さんや左官さんの数も減少、伝統的技術や工法を継承する方がいなくなるという大変な危機に陥っています。街並みの保存に力を入れている故郷の萩ですら、伝統工法で土間を直せる左官さんが、70代の方一人になってしまったという衝撃の事実に直面し、このままでは将来、地方の伝統的な建物が徐々に消え、これまで当たり前と感じられていた美しい景色も失われてしまうのではないかということを実感しました。
地元の建設会社でも、「昔のような徒弟制度で職人さんを守っていけない時代に、企業の果たすべき責務は大きい。後継者の発見と育成が急務です。」というお話を伺いました。また50年前に蔵の修復をしてくださった左官さんにも「(修復の)場がなければ、人は育たない。現代工法の家に、匠の仕事の場は殆どない。」と仰っていました。
伝統工法をご存知の左官さんがまだお元気で仕事が出来るこの時期がラストチャンス、今、なんとかしないと大変なことになると思ったのが、クラウドファンディングをしようと思ったきっかけです。もはや、自分一人で考え、動いているのでなく、先人達や何か大きな力に突き動かされている気すらしています。大学院で映像を学び映画監督を目指している学生さんとOBや仲間たちも手伝ってくれることになり、左官さんが土間を修復される全行程を追いかけ、映像として記録に残し、試写会も計画してくれることになりました。修復した土間を実際に訪れ、映像を見た若者の中で、将来、左官になろうと思える方が一人でも生まれることを心から願っています。そして万が一の場合には、その映像を見ながら、かつての伝統工法を再現できるような、そんな映像の力を信じ、無事なる修復と共に、映像の完成を願っています。
2021年 クラウドファンディング(READY FOR)にて「江戸時代から続く歴史遺産と日本最古のピアノを未来へ」サードゴールまで達成 ➡ 多くの皆様のおかげで、江戸時代からの蔵2棟(巽蔵と東蔵)が生まれ変わり、日本最古のピアノを守り伝えるためのピアノケースを作っていただき、ピアノ来日200周年コンサートを開催することも出来ました。
◎目標金額 350万円(1stゴール)
内訳 土間修復200万円 アーカイブと人件費 150万円
目標金額を超えてご寄付を戴いた際は、所有者だけではどうにもならず、問題山積みの文化財、歴史的建造物の次なる修復、保存活用に繋がる活動に挑みます。
◎目標金額 888万円(2ndゴール)
350万円(1stゴール)+538万円(2ndゴール)
内訳 建物の傷みの大きい箇所を中心に修繕・修復・雨漏り調査など、重文離れ座敷の屋根杉皮葺き替え、重文離れ座敷厠壁修繕、重文主屋屋根丸瓦際漆喰修理、朽ち果てた崩壊寸前の門、土台崩壊江戸時代の井戸、隙間から雨が吹込む重文主屋板戸(穴開き雨が葺き込み)傷んだ畳や障子、他多数
◎目標金額 2000万円(3rdゴール)
350万円(1stゴール)+538万円(2ndゴール)+1112万円(3rdゴール)
内訳 13棟ある蔵の落ちかけている瓦屋根を修繕、老朽化した蔵を、左官さん大工さんの寺子屋と し、次世代人材育成の場として活用戴く。完成後は地方創生や地域の活性化に役立ち、内外から人が集える、みんなでより良い未来を作っていく場に蘇生する。
◎お返し無し「純粋寄付」コース
お返し無しコースには共通のA.お礼状と金額毎のB.寄付金領収書をお送りします。
A.お礼状(郵送)
B.寄付金領収書(郵送)
・3千円・1万円・3万円・5万円・10万円・50万円・100万円
◎お返し有りコース
お返し有りコースには共通のA.お礼状と金額毎のB.寄付金領収書に加えて下記C.D.E.をお送りします。
A.お礼状(郵送)
B.寄付金領収書(郵送)
C.熊谷美術館ご招待チケット(郵送)
※常設展(東蔵)+重要文化財土間見学のみ有効(特別展は別料金)有効期限は2025年4月1日~2026年3月31日となります。
D.土間修復映像エンディングロールへのお名前掲載
※お届け先情報に登録のお名前を掲載します。掲載不要の方は申込時に備考欄に掲載不要とご記入ください。
E.土間修復映像試写会ご招待
※2025年秋以降、萩その他での開催を予定しています。オンライン配信はございませんので、上映日に会場に足をお運びいただける方のみの特典となりますのでご了承ください。 詳細はうぶごえメッセージかメールにてご連絡致します。(試写会会場のご協力いただける方も募集しています)
※お礼状は全てのコースで共通の内容となります。
●1万円コース
①OLD(土の時代の返礼)
熊谷美術館プレミアムレトログッズ(プレミアムリーフレットとレトロ絵葉書)×限定20名
レトロ絵葉書は昭和の時代に作られ今では手に入らない貴重な絵葉書です。萩市ご出身大和義男先生による熊谷美術館の素描絵葉書です。
②NEW(風の時代の返礼)
DOMA老松手ぬぐい by Koji Yamamoto
熊谷美術館でいい汗かこう!ボランティアチケット
※プロジェクト終了後にうぶごえメッセージかメールにてご連絡致します。(有効期限:2027年12月31日迄)
※手ぬぐいは今回のDOMAクラウドファンディングの為、画家の山本浩二先生のご厚意により、熊谷美術館展示作品「老松」より特別に作成した限定手ぬぐいです。
90cm×35㎝ 綿100%(サイズ等変更の可能性あり)
●1万3千円コース
③日本最古のシーボルトのピアノ萩市有形文化財指定記念コンサート@重文土間 オンラインチケット
※12月12日までのお申込み限定となります。
配信URLは12月16日から18日までに、うぶごえメッセージかメールにてご連絡致します。
視聴可能期間:12月19日から12月25日までの期間限定、オンデマンドでの配信となります。
●2万円コース
④これ持って萩を旅いたし申し候~萩城下町古地図(嘉永年間) 熊谷美術館所蔵(複製)+レトロ絵葉書
ハンディ―タイプの萩古地図と、昭和の時代に作られ今では手に入らない貴重な絵葉書です。
⑤ DOMA特製石けん by ninigi × KUMAYA ART MUSEUM
石けんは今回のDOMAクラウドファンディングの為、ninigiさんが提供くださった石けんです。地球と微生物レベルでの共生関係を維持しながら、皮膚科学とバイオサイエンスを駆使して開発されたもので、ポリフェノールなど多く含んだエクストラバージンオイルなどオーガニック成分をメインに、環境問題に取り組むRSPO認証とレインフォレストアライアンスを取得したパーム油、肌の活力をアップさせるフミン酸フルボ酸を使用するなど、厳選された循環型成分を使用した生石けん。
GREEN FOREST(ウッディーな香りの中に土のようなアンダートーンを放った森林の香り)か、PASSION(お花、種子、果実、樹皮をブレンドした、スーッとシャープな中に華やかさのある香り)のどちらかの石けんが一つ届きます。複数お申し込みの場合でも種類は選択できませんのでご了承ください。 ご寄付の一部が、森林保護や土壌改良など環境保護活動へも役立てられます。
https://www.instagram.com/ninigi.japan/
●3万円コース
⑥日本最古のシーボルトのピアノ萩市有形文化財指定記念コンサート@重文土間 特別席ペアチケット×限定5名
日時:2024年11月23日(土)14:00-15:30
会場:公益財団法人熊谷美術館 国指定重要文化財熊谷家住宅
※11月17日までのお申込み限定となります。
※日本最古のピアノに接見出来る5組10名様限定の特別席です。
※会場までの交通費、宿泊費などは含まれません。
※チケット等の発券、送付はございません。当日、うぶごえでの購入履歴と身分証明となるものをコンサート会場受付でご提示してご入場ください。
⑦これもって未来を洗濯いたし申し候~
DOMA老松手ぬぐいby Koji Yamamoto+DOMA特製石けんby ninigi× KUMAYA ART MUSEUM ご寄付の一部が日本の森林保全にも役立てられます。
※手ぬぐいは1枚。②NEW(風の時代の返礼)の説明をご覧ください。
※石けんは1個。⑤ DOMA特製石けん by ninigi × KUMAYA ART MUSEUMの説明をご覧ください。
⑧DOMA PREMIUMコーヒー(DOMAクラウドファンディング限定・非売品)
コーヒーは今回のDOMAクラウドファンディングの為、コーヒーについて書かれた江戸時代の熊谷家文書を元に、Hagi coffee repos さんがのご協力で完成した限定プレミアムコーヒーです。
⑨熊谷美術館樹齢330年余の影向の松葉茶と松のお香×限定10名
影向の松とは、神様仏様が降臨するという松です。330年の松の力がぎっしりと詰まったお茶とお香です。
●5万円コース
⑩萩の土アクセサリー(DOMAの土付)
萩市在住のジュエリー作家 Takako Hamanakaによる萩の土で作られた唯一無二のアクセサリー
さりげなさと温もりを感じるジュエリーとアクセサリーを制作
https://www.instagram.com/takakohamanaka/
⑪フクロウフラワーソネングラス(DOMAの土付)
Salon de Cashaさんが今回のDOMAクラファンの為、特別に作ってくださる幸福をよぶ鳥ふくろうとお花の入った、太陽光で充電、マグネットスイッチで点灯するサステナブルな次世代型ライトです。ご寄付の一部が、開発途上国の方の雇用を増やすことに役立てられます。
https://www.instagram.com/junfla/
⑫土間叩き体験(2025年7月予定)+ DOMA老松手ぬぐい×限定40名
体験は2025年7月予定。詳細が決まり次第、うぶごえメッセージかメールにてご連絡致します。
※会場までの交通費、宿泊費などは含まれません。
※ご寄付者に伴っての体験参加の場合、高校生以下は1名を無料とさせていただきます。
※手ぬぐいは1枚。②NEW(風の時代の返礼)の説明をご覧ください。
⑬萩城下町古地図(嘉永年間)熊谷美術館所蔵小屏風(複製)
お部屋に飾れる萩城下町古地図(複製)です。(非売品)
萩のシモセスタジオさんがご作成くださいます。縦29.7㎝×横32.0㎝
●10万円コース
⑭坂髙麗左衛門14世特製萩焼作品(DOMAクラウドファンディング限定・非売品)
by 坂髙麗左衛門窯
●50万円コース
⑮日本最古のピアノ演奏権(当館にて)+ 萩城下町古地図(嘉永年間)熊谷美術館所蔵小屏風(複製)
演奏可能時間は1時間となります。録音録画ご希望の場合、美術館スタッフが5分間撮影致します。(個人利用に限ります)動画の公開をご希望の場合は、別途、契約が必要となります。
※要予約。プロジェクト終了後に日程調整などについてうぶごえメッセージかメールにてご連絡致します。日程予約確定後のご利用となりますのでご承知おきください。
※ご寄付者に伴っての体験参加の場合、高校生以下は1名を無料とさせていただきます。
※有効期限2025年4月1日~2026年3月31日
●100万円コース
⑯館長の特別おもてなしコース
国指定重要文化財でのマインドフルネスな1日ペアチケット・館長の特別おもてなし・五右衛門風呂体験(DOMA石鹸 by ninigi+DOMA 手ぬぐい by Koji Yamamoto 付)・人力車市内観光
※要予約。プロジェクト終了後に日程調整などについてうぶごえメッセージかメールにてご連絡致します。日程予約確定後のご利用となりますのでご承知おきください。
※手ぬぐいは2枚。②NEW(風の時代の返礼)の説明をご覧ください。
※石けんは2個。⑤ DOMA特製石けん by ninigi × KUMAYA ART MUSEUMの説明をご覧ください。
※有効期限2025年4月1日~2026年3月31日
⑰熊谷美術館 第2・第3展示室 2週間丸ごと貸し切りコース
第2・第3展示室を使ってまるまる2週間、特別展が出来ます。展覧会やイベントにご利用ください。
※要予約。プロジェクト終了後に日程調整などについてうぶごえメッセージかメールにてご連絡致します。日程予約確定後のご利用となりますのでご承知おきください。
※2025年8月16日より2週間 もしくは、2026年1月13日より2週間で実施出来るものに限りご利用できます。
前回のクラウドファンディングで、皆さまのお力添えのおかげで修復されたなまこ壁です。改めて心よりお礼申し上げます
※複数コースを組み合わせてのお申し込みも可能です。ご自由にお申込みください。
※内容に若干の変更が生じる可能性があります。ご了承ください。
公益財団法人熊谷美術館への寄付金には、税法上の優遇措置が適用されます。この寄付金を支払った翌年の1月1日現在、山口県内にお住いの方は、確定申告書を所轄の税務署へ本証明書を添付し申告することにより、所得税、個人住民税の税制上の優遇措置を受けられます。
尚、山口県以外にお住いの方は、所得税のみ優遇措置を受けられます。
注)所得税の確定申告の義務がない方は、寄付を行った年の翌年の1月1日現在お住まいの市区町村へ住民税申告を行うことにより、個人住民税の寄付金税額控除の適用を受けることができます。
また、法人様の寄付については、特定公益増進法人に対する寄付に適用される、別枠の損金算入をご利用いただくことができます。
※寄付金領収書は、受領日を2024年12月26日とし、2025年1月中にお届けいたします。
※寄付金領収書に記載するお名前・ご住所は、お申込み時にご記入いただく「お届け先」の宛名・住所となります。
※ご支援確定後の返金やキャンセルは、ご対応致しかねますので、何卒ご了承ください。
※本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、計画の実行及びお返しのお届けはございません。
2024年11月2日 クラウドファンディング募集開始
2024年12月26日 クラウドファンディング募集終了
2025年1月~お礼と返礼品順次発送
2025年7月 土間修復と撮影
2025年中 ネクストゴールで達成した建物の修復
2025年11月試写会 結果報告
日本各地には、職人さん方の素晴らしい匠の技を知ることの出来る文化財や歴史的建造物が、まだ少なからず存在しています。そういった全国に点在する古き良き建物の中で、私たちは、先人達がどのように生きてきたかを知り、自らの根源や、存在理由にまで思いを巡らすことができます。
そうした建物は代々の所有者、継承して来られた方々が、時代の変遷の中で、易きに流れず、懸命に先人達の思いを繋いできた歴史を語る場であり、国内だけでなく、海外からも日本に訪れたいと思われる大切な場でもあります。
しかし今、そうした貴重な建造物は、徐々に失われようとしています。古き良き建物を守り、維持していくために、所有者だけの努力では困難な現状に伴い、それを修繕修復する職人さん方の数も年々減少しています。
そうはいっても、実際、何とかなるのではないかと、当事者である自分ですらも、これまで心のどこかで思ったりしていましたが、みんなで一丸となって、何とかしないと何とかならないという現実を突きつけられました。
今、職人さんの技術を伝え残しておかないと、古き良き建物とそこで感じ、学ぶことのできる先人達の思いも未来に繋げていくことは出来ません。
そのためには、多くの皆さまのお力が必要です。
幸いにも、現代には、映像というもうひとつの素晴らしい技術があります。技術で技術を守るというアーカイブの力を教えてくれたのは、映像を学ぶ学生さん方でした。
匠の技を、映像の力で残し、その映像を見た方の中で、次世代の継承者が生まれることに希望を託して、クラウドファンディングに挑戦します。
この度は、50年前に当館の蔵を修復してくださった左官さんや、返礼には地元や全国の作家、アーティストさん方、映像には次世代の映像作家さん達もお力になってくださいます。未来への恩送りに、どうぞ、皆様のお力をお貸しください。
岩田松雄
(株)リーダーシップコンサルティング代表取締役
立教大学ビジネスデザイン科特任教授 早稲田大学ビジネススクール非常勤講師
元スターバックスコーヒージャパンCEO代表取締役最高経営責任者
主な著作として、『MISSION ミッション 私たちは何のために働くのか』、『BRAND ブランド「自分の価値」を見つける48の心得』(アスコム)、『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』(サンマーク出版)、『共感型リーダー』(角川書店)他多数。 日本の近代史を振り返って明治維新は大きな偉業でした。
列強の植民地になることなく、今日の日本の繁栄の元になったのは間違いありません。
その明治維新の中心にあったのが、薩摩藩と長州藩でした。
熊谷家はもともと長州藩の御用達商人として、大名貸などで藩の財政を支えていました。
幕末の混乱期に命懸けで維新の志士達を陰で支えました。
維新後志士たちは明治政府で顕職について報われています。
一方物心両面での志士たちへの支援した俠商達は、全く報われることなく、新政府から債権放棄させられ、歴史の記憶からも忘れ去られようとしています。
その象徴である「熊谷家」は国指定の重要文化財に指定されてはいますが、維持管理に膨大な費用がかかっており、存続の危機に晒されています。
本来は政府や県がやるべきことですが、その限界もあります。
日本人としてこの「歴史的な記憶」を何としても残していくべきです。
以前こちらの熊谷邸で講演をさせていただいたこともあり、その時になんとも言えない歴史の重みを感じました。
ぜひ皆様のご支援並びにご厚意を頂きたく存じます。
私も微力ながら今後とも応援していきたいと思っています。
よろしくお願いします。
大倉正之助
能楽師
大倉流大鼓
重要無形文化財保持者
文化庁 日本遺産大使
能楽の歴史と共に歩む大小鼓の家に生まれ、9歳で小鼓初舞台17歳より大鼓方として能舞台での活動を主に様々な分野との共演など世界的に活躍。現在は伝統文化を支えるもの作り職能衆達と共に能楽奉納「飛天双◯能」を令和5年より12年計画の日本伝統文化復興を目指し活動する。 熊谷家の住宅は江戸時代の暮らしぶりを今に残し伝え、かつ身近に触れさせ、その価値を体感させてくれる場は貴重な存在です。
日本は古来より伝統を大切に継承する為には日々手入れをすることが当然のようにありました。その労苦を厭う事は無く寧ろその共同体の祭りの如く継承されて来たものです。例えば茅葺き屋根の葺き替えなどは集落の祭りであります。また今の家族数とは違うとはいえ家族単位においても障子張りや煤落としなど身近な暮らしの一コマとして細やかながらも大切な祭りごとであったのです。
この度の土間修復は当に何百年もに亘り人々が暮らしの中で、様々な祭りごとの準備の場であり家の内と外の間で煮炊きもする大切な空間になります。
これから先の人々にもこの伝承価値に触れ喜んでもらえるためには手入れが必要であります。
ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。
桂英史
東京藝術大学大学院映像研究科教授
専門はメディア理論、芸術実践論、図書館情報学。主な著作として、『インタラクティヴ・マインド』、『図書館建築の図像学』、『東京ディズニーランドの神話学』、『人間交際術 コミュニティ・デザインのための情報学入門』、『せんだいメディアテーク コンセプトブック』(共編著)、『先端芸術宣言』(共編著)などのほか、最新刊として『表現のエチカ 芸術の社会的な実践を考えるために』(青弓社)がある。 熊谷家住宅の土間修復は、単に歴史的建造物の保存にとどまらず、地域文化の再生と伝統技術の継承に重要な役割を果たします。このプロジェクトは、美術館リニューアルに向けての試金石として位置付けられ、未来の文化財保存に向けた新たな挑戦となっています。
特に、修復過程を映像アーカイブとして記録する試みは、従来の展示形式を超えた美術館の新たな機能として、今や必要不可欠なものです。映像は、単なる資料にとどまらず、文化的・技術的価値を視覚的に捉え、次世代に伝えるための強力な手段となります。
また、美術館が単なる偶然の集合によるコレクションに依存するのではなく、体系的かつ戦略的なコレクション構想を打ち立てることが、これからの文化施設としての重要な使命です。本修復プロジェクトがその第一歩となり、美術館の未来を築く礎となることは間違いありません。
皆様のご支援を賜りたく、心よりお願い申し上げます。
紺野美沙子
女優
朗読座 主宰
国連開発計画(UNDP)親善大使 今から40年前のNHK朝のドラマ「虹を織る」は、萩に生まれ育った女性が宝塚歌劇団を目指す物語。私はヒロインを演じました。それ以来、萩は私の大切な心の故郷です。古い土塀越しの橙の木を見ながら城下町を歩くと、ここだけの特別な風が吹いているように感じます。熊谷美術館もそのひとつです。熊谷家代々の美術品はもちろん、つい最近まで丁寧に使われていたピカピカのかまどさんや、樹齢600年のソテツ、シーボルトのピアノを眺めていると、時を超えて生活の賑わいが伝わってきます。一方で蔵等を修復する職人さんが年々減少している現実を直視しなくてはなりません。
日本の有形資産を将来の子どもたちに受け継いでいくことが私たちオトナの責務だと痛感しています。この度のクラウドファンディングが未来に繋げるバトンになることを願い、皆さまのご支援を頂ければ幸いです。
熊谷美術館がこれからも多くの人々の想像をかき立てる場所であり続けますように。応援しております。
柴田明彦
公益財団法人熊谷美術館 理事
産業能率大学情報マネジメント学部 教授
多様性工房(株)代表取締役社長
次世代育成、世代継承を念頭にコンサル、講演・研修、執筆などで活動中。
主な著作として、『ビジネスで活かす電通鬼十則』朝日新聞出版 他『一歩先を歩いた者の責務』
私事で甚だ恐縮ながら、敬愛する白洲次郎を通じて「ノーブレスオブリージュ」(noblesseoblige) を知りました。皆さまご存知かと思いますが、その意味するところは、身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳観です。もとはフランスのことわざで「貴族たるもの、身分にふさわしい振る舞いをしなければならぬ」の意味だと聞きました。私はこの概念を“一歩先を歩いた者は、後に続く者に対する責務がある”と意訳し、大学講義等における行動規範にしています。
さて、熊谷美術館を始めて訪れた時、重要文化財指定の母屋縁側から歯齢600年のソテツがある庭園を眺め、蔵に保存されている各種展示物、シーボルトから寄贈された日本最古のピアノなど先人の息吹を強く感じたことを鮮明に覚えています。その有形無形の資産を次世代に継承することも、ちょっとだけ先を歩いた自分の責務と考えるに至りました。一方で、蔵など文化財の修復を担う職人さんが激減しているのが現実です。ぜひ皆様も未だ見ぬ次世代へバトンを繋ぐ担い手になっていただきたく、この度のクラウドファンディングご支援をお願い申し上げる次第です。萩でお会いできますこと祈念致します。
鈴木寛
東京大学教授
慶應義塾大学特任教授
元文部科学副大臣。
近年は夏に熊谷家を拝借し、全国から教育関係者を集め、「萩から始まる共育維新」指導者研修会を主宰。 萩を愛し、明治維新に思いを寄せる皆様。
すずかんです。日本の宝であり、シーボルトにも縁があり、高杉晋作もよく出入りするなど維新の現場であった熊谷家住宅・熊谷美術館が、老朽化し、その維持が危うくなっています。
さらに、こうした貴重な建造物を修復出来る職人さんも減少、高齢化しています。
今、修復と技術の保存をしなければ、もう二度とチャンスはありません。
私も文部科学副大臣をしておりました。本来ならば、国や県が保存すべきですが、財政赤字が年々累積し、社会保障の支出が増大するなか、なかなか文化に予算が回ってきません。
この重要な文化財を次世代に残すため、所有者の江口様は、私財を投げ打って、頑張っておられます。
日本や萩を愛する皆様方!今こそ、決起のときです。皆様のお力添えをいただき、この事業を何とか成就させていただきますよう、伏してお願い申し上げます。
久野正人
一般社団法人 久野塾共同代表理事
2012年からグローバルリーダー輩出を目指して塾を運営。
2015年から萩市でリーダーシップの旅を毎年開催している。萩市の方々との交流も深めている。
https://hisanojuku.jp/ 高杉晋作や坂本龍馬など、幕末の英傑たちが夜な夜な集い、日本の未来を語り合った熊谷家住宅。往時のリーダーシップに思いを馳せながら、3年前から東京やその他の都市から多様な人々が参加し、この文化財をお借りしてワークショップを開催しています。
職人の方が伝統工法・技術を駆使して土間を修復し、その作業のアーカイブ化を映像を学ぶ若いクリエーターが担当するという価値あるコラボ事業は、これからの文化財の維持の新たな取り組みとして注目されるでしょう。
ここに挑戦する熊谷美術館のリーダーシップに敬意を表し、クラウドファンディングを応援します。